さくらは、西行の桜か、石部の桜か、ある山桜か・・・。古に倣して桜を眺め 

    自らの過去・現在・未来の生への執着・悔恨・不情理・謝罪・希望・理想を記して      

    この生の証しとする。
水中花冬
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     水中花というだろうか。シャコバサボテン。 水中花は夏の季語。

     

     赤があまりにきれいだったものだから、盛りの花房を手許に置くことにした。その元だけを小さなグラスに入れていたのを、ちょっと大きめのものに移してみた。

     

     

         

     

     

     この時季の赤は、どのように見ても魅せられる。

     


      ホットコーヒー  マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』に、

        紅茶に浸したマドレーヌの味によって、引き出された記憶の

        奔流を水中花に喩える有名な文章がある。

     

         プルーストは友人レイナルド・アーンのいとこのマリ・

        ノードリンガーから水中花をプレゼントされたことがあり、

        これがその比喩の着想のきっかけとなった。

     
       # ちょうど日本人の玩具で、水を満たした瀬戸物の茶碗に

        小さな紙きれを浸すと、それまで区別のつかなかったその

        紙が、ちょっと水につけられただけでたちまち伸び広がり、

        ねじれ、色がつき、それぞれ形が異なって、はっきり花や

        家や人間だと分かるものになってゆくものがあるように、

        今や家の庭にあるすべての花、スワン氏の庭園の花ヴィ

        ヴォンヌ川の睡蓮、善良な村人たちとそのささやかな住居、

        教会全コンブレーとその周辺、これらすべてががっしりと

        形をなし、町も庭も、私の一杯のお茶から飛び出してきた

        のだ。#

     

     

     

       杯中花は、どうだろう。

     

       グラスは、利き猪口に

       水を日本酒に、替える。

       山茶花の花びらを浮かべる。

     

       香りや味も、目鼻舌で味わう

      ことになる。桜酒と同じか。

     

     

     

     

     杯中花は、酒を旨くする。

     山茶花酒を冬の季語に加えてもいいだろう。

     

     

     

     

    Posted by : 桜の好きなKOMUT | もん・さいじき | 18:40 | comments(0) | trackbacks(0) | -
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