寒さが戻っている
2019.04.01 Monday
朝日が差してくるのに急かされて起きた。
朝ご飯を済ませたころにわかにくもり、冷たい風が吹き始めた。
そうか。寒気が入っていると言っていたからなあ。
物置の屋根の向こう、満開を過ぎた梅越しに見える竹林に雪が降っている。
今日から4月だというのに、寒い。
震えるほどで、何をする気も起こらない。
10時で5℃しかないのだ。
気象予報士なる人たちが、しきりに「寒の戻り」というのだが、私の感覚だと首を傾げる。
この「寒」を「かん」と発音すると、「二十四節気のうち、一年中でもっとも寒い時期のあの、およそ三十日間」を指しているようで、今日のような暖かくなった時季に使う言葉かと思ってしまうからだ。
「寒さが戻っている」というなら、頷くのだが ・・・。
寒が明ける立春の後の寒さを「余寒」と呼ぶように、暖かくなったこの頃のそれを、桜が咲くころの寒さだから「花冷え」というのは、とてもいい言葉になっていると思う。Wikipediaなど
「寒」を「かん」と読み、漢語として扱うと、その両方の意味を
表す。「さむ(さ)」と和語にすれば意味ははっきりする。
だから、今日発表された新元号「令和」の引用部分、「初春の令月にして気淑風和梅は鏡前の粉を披き蘭は珮後の香を薫らす」を理解することは至難の業だ。
この詩句は中国古典でなく国書「万葉集」から採用(政府の意図通
り)した。しかし、読んでみれば分かるように漢文調だ。万葉集は
和語(大和言葉)に、中国から伝わってきた漢字を(一音に一字)当て
ていったものだから。
「寒さが戻っている」という感覚は、万葉人まんようびとの遺伝子を受け継いでいるのだろうけれど。