東山魁夷を観てきた。
唐招提寺御影堂障壁画展 茨城県近代美術館
濤声
障壁画ということで、大きい、いや長く琳派のような雰囲気だった。
この「山雲」は試作で、今時のテレビ画面くらいの大きさ。
これはメインではなく、私の見たいものだっただけ。
メインは、障壁画すなわち襖ふすま絵だった。
16枚分の迫力は言うまでもない。
溜息や感嘆が漏れていたが、私にはそこまでの感動はなかった。
山雲
これが、東山魁夷の中では、好きな類だった。
平山郁夫のシルクロード・パルミラ遺跡を往く隊商を観たのは、2週間前だったか。
観覧者は、連れだった高齢者が多かった。3週間で、1万人を越えたという。若い男性は数えることが出来るほどではなかったかと感じた。
東山魁夷展は、地方ながら文化都市の水戸で開かれていることもあるのか、2月中旬からの1ヶ月半で3万人を達成したと聞いていた。
どちらの展覧会でも、元気な高齢者が多かったことに驚いた。
作品と私たちの物理的な距離が縮まっているから、これからまだ観る機会があるかもしれない。
長い時間にわたって価値を認められてきた作品が、多くの人に観られるようになっていることは素晴らしいことだ。
観覧者の絵を観る capacity あるいは readiness は、自他共に問題にされていないようだ。いいことだろう。
いや、その文化あるいは芸術の価値を理解・享受するには、予め備わった(理解)能力を必要とするカテゴリーがある。絵画や音楽では、それをあまり求められないようで気軽なアプローチが出来ることには嬉しい。
茨城県近代美術館
千波湖対岸に水戸芸術館